https://mainichi.jp/articles/20201108/k00/00m/050/243000c
毎日新聞2020年11月8日 21時43分(最終更新 11月8日 21時43分)




【横浜FC－神戸】試合後に神戸のイニエスタ（右）と肩を組んで話す横浜FCの三浦知良＝横浜・ニッパツ三ツ沢球技場で2020年11月8日、宮武祐希撮影


○横浜FC2－1神戸●（8日・ニッパツ）

　横浜FCが試合終了間際にMF安永のプロ初ゴールで決勝点を挙げた。FW三浦は後半途中出場し、自身の持つJ1最年長出場記録を53歳8カ月13日に更新した。

　夢のような競演が実現した。1－1の後半42分。横浜FCのFW三浦がピッチに立つと、横浜FCだけでなく、古巣の神戸のサポーターからも大きな拍手が起きた。キングが出場したからだけではない。元スペイン代表で、先発出場した神戸のMFイニエスタと同じピッチに立つことを待ち望んでいたからだ。

　同44分には2人のマッチアップが実現。イニエスタのフリーキックの壁として入った三浦が、右サイドをドリブルするイニエスタのマークにつく。場内にどよめきが起こった。




【横浜FC－神戸】後半、自身が持つJ1最年長出場記録を53歳8カ月13日に更新した横浜FCの三浦知良（右）＝横浜・ニッパツ三ツ沢球技場で2020年11月8日、宮武祐希撮影

　「カズさん（三浦）が周りの選手に及ぼす影響はすごくあった。自分たちに（流れを）持ってきてくれた」と横浜FCの下平監督はたたえた。

　試合終了間際のMF安永のプロ初ゴールで、この日の勝負は決まったが、2人のプレーは勝敗を超えた見応えがあった。イニエスタの華麗なキックやパス。そして相手を引きつけ、ブロックして安永のシュートコースを空けた三浦。約9分間の競演に、イニエスタは「日本を象徴するような選手と同じピッチにたてたことは光栄なこと。53歳になってまだプレーができる秘訣（ひけつ）を知りたいくらいだし、脱帽の思い」と敬意を表した。

　試合前の練習では握手と熱い抱擁、そして言葉を交わした2人。試合後も抱擁と肩を組んでの会話、そして握手をした。来季も再び見たいと思わせるスターの競演だった。【福田智沙】