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1: : 2021/02/25(木) 07:10:17.87 _USER
 イオンの創業の地である三重県には、当然ながらイオンの数が異常に多い。食品に特化したスーパーマーケット業態の「イオン」「イオンスタイル」の出店数だけをみれば北海道の37店舗がトップだが、人口に対しての出店数は三重県が新潟県に次いで2位になる。三重県が新潟県の約半分の面積しかないことを考えれば、この店舗数は多すぎる。東京都(17店)よりも多く、出店数トップ10の都道府県で、政令都市がないのは三重県だけである。

 さらにイオンの源流である「岡田屋」の誕生地である三重県四日市市は、イオンの密集地帯といってもいい。イオン日永店、イオン四日市尾平店、イオン四日市北店の3店舗が31万人の都市に集中し、72万人の相模原市(2店舗)、政令都市の静岡市(1店舗)と比較しても、イオンの多さが目を引く。現在、イオンは千葉県に本社を置くが、商売の原点である“お膝元”といえば三重県四日市市であることは、これらの数字が物語っている。

お膝元で勝負を挑む「売り上げ214分の1」の企業
 そんなイオンのお膝元で、果敢に勝負を挑んでいる小さなローカルスーパーがある。1947年創業の「スーパーサンシ」だ。四日市市内に13店舗を構え、売上の402億円はイオングループの214分の1にすぎない。従業員数はイオングループの58万人に対して、2400人ほどしかなく、言葉は悪いが、象とアリ以上の差がこの2つの企業にある。

「規模で勝てる相手ではなかったんです。だからこそ、生き残るために必死にやるしかなかったんです」

 そう話すのは高倉照和常務取締役。イオンを相手に勝負をかけたのが、商品を自宅まで届ける「ネットスーパー」だ。

スマホからのアプローチができないスーパーは駐車場がないお店と同じ
 今でこそ「ネットスーパー」という言葉をよく耳にするが、スーパーサンシは40年前にイオンへの対抗策として宅配サービスをスタートしている。電話対応から始まった宅配サービスは早い段階から仕組み化され、90年代後半にはネットによる受注を開始。売上の伸びに加速がかかったのは10年前。スマホの普及によって一気に利用者が激増した。

「今まではロードサイドに大きい駐車場を作ればスーパーの売上は伸びました。でも、今、お客様に普及しているのは車ではなくスマホです。スマホからのアプローチができないスーパーは、駐車場がないお店と同じなんです」(高倉照和常務取締役)

 スーパーサンシのネットスーパーは絶好調だ。旗艦店舗の「日永カヨー店」は年商50億円のうち、約20%超の10億円を宅配事業が叩き出す。13店舗中7店舗でネットスーパーを展開しており、売上全体の2割以上を宅配による売上が占める。

 サービスを利用するためには月額477円(税別)の会費が発生するが、現在の会員数は1万8500人。毎年コンスタントに3000人以上の会員が増えており、“イオン包囲網”の四日市市において、世帯数の約6%がスーパーサンシのネットスーパーを利用していることは、イオンにとっても脅威と言える。過去10年間は2桁成長を続けており、コロナ禍の影響もあって2020年の4月と5月のネットスーパーの売上は、前年同月比70%増で推移した。

15年前にはすでに黒字化できていたネットスーパー
 もうひとつ驚くことは、利益を出すことが難しいネットスーパー事業において、スーパーサンシは15年前にすでに黒字化に成功している点だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大以降になって注目されることも増えたネットスーパーだが、スーパーサンシは早々に成功し、いまでは営業利益は実店舗よりもネットスーパーのほうが2~3%高い。

「ネットスーパーは事前に受注した商品を取り扱うので、値引きや破棄のロスがリアル店舗と比べて低いんです。スタッフもパートが中心なので経費率は16~17%に抑えられます。接客もレジも不要。設備投資も実店舗よりも少なくて済む。ネットスーパーで黒字化できないのは本気で取り組んでいないだけ。真面目にやればネットスーパーは利益が出る構造になっているんです」(高倉照和常務取締役)

黒字化を生んだ3つのポイント
 スーパーサンシはどのようにネットスーパーを黒字化させたのか。ポイントは3つある。

 ひとつは、月会費制にした点である。税別477円の月額会費をユーザーに負担してもらうことで、「せっかく毎月お金を払っているんだから」とユーザーの買い物に対するモチベーションが高まり、結果、利用頻度が増して客単価が上がったのだ。実際、スーパーサンシのネットスーパーの利用者は店頭よりも客単価が1000円ほど高い。

2: : 2021/02/25(木) 07:10:38.95 _USER
「5000円以上で配送費を無料にするネットスーパーもありますが、そうすると余分な商品を購入してしまい、注文する頻度が落ちてしまうんです。それが配送効率の低下につながり、ネットスーパーの赤字の要因になってしまうのです」(高倉照和常務取締役)

 もうひとつのポイントは、自社配送を行っている点だ。一般的なスーパーの利益率は25%前後と他業種と比べて低く、この利益を配送業者と折半してしまうと儲けはほとんど残らない。

 そのことにいち早く気付いたスーパーサンシは、自前で物流の仕組みを構築した。日永カヨー店では35台の保冷庫付きの軽トラックが配備され、多いときに1日1600件の配達を行っている。ドライバーの採用から手配まですべて自社で行っており、外注の配送会社は一切利用しないことで利益を確保している。極めつけは宅配ボックスの設置だ。スーパーサンシの会員になると、鍵付きの専用宅配ボックスを無料で設置してくれる。これにより、再配達することがなくなり、時間と人手のロスを最小限に抑えることができるのである。

 3つ目のポイントは、ネット回りの開発や制作を自社ですべて行っている点である。今まで多くのスーパーを見てきたが、どこの会社もネットのノウハウや情報に疎く、システム開発やホームページの制作は外注しているケースがほとんどだった。

 しかし、スーパーサンシではアプリの開発から受注管理システム、スマホページや動画の制作など、すべて社内のスタッフで行っている。40人のデザイナーとデータアップの人員、20人のシステムエンジニアが常時スタンバイしており、内製化することでネットスーパーのスピード化とコスト削減の両方を実現した。

「配送もシステムも全て外部に委託していたらネットスーパーの利益はでません。もちろん、これらを全て自社で賄うのは大変ですが、やってできないレベルではない。多くのスーパーが本業の片手間でネットスーパーをやろうとするから失敗するんです。売り方も仕組みも本業と全て違います。別のビジネスをやるぐらいの覚悟がなければ、ネットスーパーは成功しないんです」(高倉照和常務取締役)

「競合にお客様を取られないため」にやるものだったネットスーパー
 これらのポイントは、長らく多くのネットスーパーに立ちはだかってきた障壁だった。 

 そもそもスーパーは薄利多売のビジネスモデルがゆえに営業利益は低く、そこにシステム開発、ピッキング、デリバリーの3大経費がかかると、さらに利益が出にくい構造になってしまう。

 また、IT化が遅れているアナログな業界ということもあり、システム開発は外注している企業が多く、ピッキングとデリバリーの仕組みを自社で賄えたとしても、ネット回りだけはどうしても外注の企業に頼らざるを得なくなってしまう。注文数が増えれば、当然、システム開発費もかかるようになり、結果、売れば売るほど赤字になるという構造から抜け出せなくなってしまうのである。

 私自身も某大手スーパーのネット宅配事業を視察したことがあるが、オペレーションからピッキングまで全てにおいて利益が出せる体制ではなかった。担当者に「利益は出るんですか?」と尋ねたところ、「利益を出すためにやっているのではなく、競合のスーパーにお客様を取られないためにやっているんです」と裏事情を教えてくれた。

 利益率を上げるために値上げをすれば競合のスーパーに顧客が奪われ、経費を削減しようとしても、システム開発の部分は削減できず、「他社がやっているから、赤字でもやるしかない」というチキンレース状態に陥ってしまうのである。

 あのイオンでさえ、ネットスーパーは順風満帆というわけではなさそうだ。2019年11月の日本経済新聞の記事によると、イオンはグループ全体の売上高8兆5000億円に対して、ネット比率はわずか1%しかない。ネットスーパー事業は2008年から取り組んでいるが、10年以上経っても売上高は数百億円規模にとどまり、営業赤字が続いているという。その後、コロナ禍によって2020年の3月~5月のネットスーパーの売上高は前年同期と比べて約2割増えたというが、それでも、売上規模から考えれば、勢いに欠く数字といえる。

3: : 2021/02/25(木) 07:10:42.41 _USER
 イオンの進出によって経営が立ちゆかなくなってしまった地方のスーパーはたくさんある。その中でイオンと戦い続けているスーパーサンシは、生き残るための覚悟と必死さが、他のスーパーと大きく違うのかもしれない。

“お膝元”から飛び出し次のステップへ
 スーパーサンシは次のステップとして“お膝元”から飛び出してイオンに勝負を挑む。

 40年間構築してきたネットスーパーのノウハウと仕組みを、2019年から『JAPAN NetMarket』(ジャパンネットマーケット)というブランドで、全国のスーパーにフランチャイザーとして提供し始めた。受注管理システムの提供からピッキング、配送の仕組みなどをすべてコンサルティングし、そのエリアの特性にあったネットスーパーの構築を支援する。

「ネット回りのサービスを弊社が請け負うことで、スーパーは物流に集中することができるようになります。もうすでに加盟企業が集まり始めており、年商数千億円規模のスーパーが2021年からJAPAN NetMarketを稼働させる予定です」(高倉照和常務取締役)

 システム構築費を加盟店でシェアすることによって、来たる5G、VR、AIなどのネットの変革スピードに対応していくという。今までネット弱者と揶揄されてきたスーパー業界が、大手IT企業と肩を並べて戦う体制は整いつつある。

 スーパーサンシのネットスーパーの仕組みを、全国のローカルスーパーが導入することになれば、全国のイオンは脅威と感じるに違いない。スーパーサンシがお膝元だけの“目の上のたんこぶ”ですむ話ではなくなってくる。

全国の同業者・IT企業に戦いを挑むローカル企業
 イオンもネットスーパー事業に対して手をこまねいているわけではない。2019年にイギリスのネットスーパー専業の最大手オカドと業務提携し、2030年にはネットスーパーの売上高を6000億円に拡大する目標を掲げている。

 イオン以外の企業もネットスーパー事業に力を入れる。Amazonはスーパーのライフと共同でネットスーパーを展開。楽天と組む西友も「楽天西友ネットスーパー」を立ち上げて売上拡大を狙う。コロナ禍を機にネットスーパーの重要性に気付いた企業が、続々と参入してくるのは必至だ。

 スーパーサンシは三重県四日市市から飛び出したことによって、全国のネットスーパーやIT企業と戦うことになる。しかし、イオンの密集地で鍛えあげられた挑戦者としてのスピリッツがあれば、ローカルスーパーの逆転劇を見せてくれるかもしれない。そういう小が大を食うシーンを見てみたいと思うのは、きっと判官贔屓が好きな私だけではないはずだ。

(竹内 謙礼)

https://bunshun.jp/articles/-/43614

4: : 2021/02/25(木) 07:16:49.51
やるねえ こういう企業が好き

8: : 2021/02/25(木) 08:34:09.38
ネット宅配は脂身だらけの肉とか芽が出てるイモやタマネギとか
明らかに店頭で敬遠されるようなものばかり持ってくるイメージがあって俺は無理だわ

9: : 2021/02/25(木) 08:46:00.74
我々の売り上げは214分の1である
にもかかわらず今日まで戦い抜いて来られたのは何故かっ!?

引用元https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/liveplus/1614204617/